ゾッとした話
今週のお題「ちょっとコワい話」
夜寝ようとすると、どうも寝付けない。
ただ寝つけないだけなら、目を瞑っていればその内寝てしまうのですが、その日は違いました。
目を瞑ると、まぶたの裏に女性が見えて、その人が手招きをしている。
背景まではっきり映ってはいるけども、行き方が分からない。
『どうやって行ったらいいの?』
そう思った途端女性は消え、代わりに地図が見え始めました。
この時点で嫌な予感はしてたんです。
ただ…行かない、という選択をする方が悪い方向に転びそうな気がして。
目を瞑ると地図が見える、今の内にと地図を取り出し場所を調べました。
その結果、行けない距離ではないけども、行くのに間違いなく1時間半はかかる。
しかも山の中でした。
多分その場所に行くまで、あの女性は寝かせてくれないのだろう。
そう思い、私は家を出ることにしました。
野を超え、田畑を越え、川を越え、1時間半程自転車を漕いだ頃漸く目的地周辺、山の麓に到着しました。
ふと時計を見ると、この時点で夜中の2時です。
女性には悪いけども、流石に夜中の2時に山に登るのは勘弁。
そう思って帰ろうと回れ右をしている途中に、気になる小道を発見しました。
人1人がギリギリ通れるか?という位に細い小道。
はっきり言って行きたくないですよね。
私も絶対に行きたくない、そう思ったのですが…
そこから呼ばれてる気がする。
女性が手招きをしていたその場所に辿り着きそうな気がする。
直感がそう言ってるので、渋々行くことにしたんです。
真っ暗な中、自転車のライトを外しそれを握りしめ、右も左も木々に囲まれているその小道をただひたすらに歩きました。
15分位歩いた時でしょうか。
道が途切れています、行き止まりです。
『結局最後は行き止まりか』
そう思い、周りを見渡すとゾッとしました。
大量のお地蔵さんです。
物凄く古く、何年も手付かずかの様に古い。
『なんだ、お地蔵さんが呼んだのか?
でも、女性が見えたんだけどなぁ』
そう思って、ふとライトを上に向けました。
いや、向けてしまったんです。
それが行けなかったんです。
首吊り死体を発見してしまいました…
…多分私を手招きした女性だと思います。
顔が腐ってしまっててよく見えなかったんですが、着ている服が一緒だったんで多分そうでしょう。
取り敢えず私は眠い中、警察を呼びました。
眠い中、事情聴取も受けました。
ええ、散々です。
あの女性は、私に見つけて欲しかったんでしょうね。
違いますね、私と波長が合ってしまったんでしょうね。
で、手招きしてみた。
そしたら馬鹿正直にそいつは現地に来た。
そして、小道が気になる様に持っていった。
そして、そいつは馬鹿正直だから真夜中にも関わらず小道を突き進んだ。
で、そいつは女性を発見した。
数年前の出来事ですが、これが私の1番ゾッとした話です。
長文読んで頂き有難うございました。