裏バイト
昔、丁度10年ほど前に現代国語の先生が自身がいままでやってきたバイトの中での貴重な体験を話してくれました。
地価の薄暗い部屋の中にプールがあって、その中に何かが浮かんでいたそうです。
浮かんでいたのは人間の死体で、プールの中の液体がホルマリンだったそうです。
事故やら何やらで死んだ人たちをその中で保存していたらしく、時折死体が浮きあがってくるので、その浮き上がってきた死体を棒で沈めるバイトだったそうです。
気持ち悪いが学生時代は汽船的に厳しい状況にあった為、短時間で高額が手に入るそのバイトをやる事にしたらしいです。
週に数回数時間、気持ち悪いと思いながらも浮いてくる死体を棒で沈めてお金を手にする。
ある時、学業で忙しく睡眠をあまりとっていない状態でそのバイトに行きました。
薄暗いプールで死体と睨めっこしながら、時折棒で沈め・・・眠いなぁ、頭がクラクラするなぁ、気持ち悪いなぁ、と思いながらバイトをしていると、自分の後ろから『ケケケケケケ』と何かが叫ぶ声が聞こえてきたそうです。
その瞬間気絶をし、気が付いた時には病院のベットの上で寝ていたそうです。
後で、診断結果を聞いたところ、寝不足で肺が痙攣をおこして、その時に『ケケケケケ』という声が出たそうです。
と、10年経った今でも鮮明にその時話してくれた事を覚えているのですが、誰に喋ってもこの話を信じてくれないんですよね。
インターネットで調べてみても都市伝説だのウソだっただの書かれています。
嘘をつくような先生ではなかったし真顔で真剣に語ってくれたから実話だと私は信じているんですけれどもね。
因みに、その体験談の中で一番気持ち悪かった部分は、
『俯きの時はマシなんだけれども、仰向けの時がきつくてね。事故等で死んだ人の顔が見える訳で、その人と目が合うんだよ』
でした(-_-;)